こちらは、HSK3級合格を目指している人に向けた記事となります。
「合格に必要な勉強時間」のほかにも、HSK3級を受験するために知っておきたい情報も合わせて解説しています↓
- HSK3級合格に必要な勉強時間はどれくらい?
- HSK3級の試験内容は?
- HSK3級のレベルはどれくらい?
- HSK3級合格の教材はなにが必要?
- HSK3級合格のおすすめ勉強法が知りたい!
中国語ゼロの状態から3ヶ月でHSK3級に合格した私が実践した勉強方法もあわせてお話したいと思います!
HSK3級合格に必要な勉強時間は?
必要な勉強時間
拼音も声調も何も分からない!まったくの”中国語ゼロ”という状態から、HSK3級合格にかかる勉強時間は約100時間です。
すでに拼音や声調、自己紹介程度の学習が終わっている人は、さらに少ない勉強時間で合格を目指すことが可能です◎
私個人の経験から計算した数字なので、人によってはもっと少ないor多くの時間が必要になる場合もあります。
勉強時間の詳細はこんな感じでした↓
平日 | 1時間 |
土日 | どちらか1日は1時間、もう1日は2時間 |
「毎日1時間ずつ勉強して、週1日だけ2時間勉強する」というような感じでした。
平日5日間は毎日仕事をしていたので、平日1時間であれば会社員でも時間が十分確保できると思います!
もし短期集中で毎日3~5時間勉強時間が確保できるのであれば、1ヶ月でHSK3級合格も全然不可能ではないです◎
「実際にどんな勉強をしたのか?」という詳しい勉強方法については、また後ほど記事の最後に書いています!
HSK試験実施の頻度
必要な勉強時間がわかったら、HSKの試験に申し込みます。
試験実施は、月1度の頻度で開催されています。
試験の申込期間は、試験実施日の2ヶ月前~1ヶ月前の間となります。
焦ってすぐに申込みをしなくても、毎月開催されていますし、1ヶ月前までに申し込めば問題ありません◎
ですが、直前に申込むと定員が埋まってしまい、受験したい地域で受験ができない可能性があるのでそこは注意してください!
HSKの試験日程はこちらから確認できます。
HSK3級の試験概要
必要な勉強時間の目安以外に、”そもそも、試験の難易度はどれくらいなのか?”ということについて詳しく見ていきたいと思います。
HSK3級のレベル
HSKは全部で1~6級まであり、6級が最難易度となります。
3級は難易度の下から3番目のレベルです。
HSKの公式HPによると、3級のレベルは以下の通りです↓
受験級 | 3級 |
試験の程度 | 中国語を使って、生活、学習、仕事等における基本的なコミュニケーションができる。中国旅行の時も大多数の場合において中国語で対応することができる。 |
語彙量 | 600語程度の基礎常用中国語単語及びそれに相当する文法知識。 |
ちなみに「中国旅行の時も大多数の場合において中国語で対応できる」と記載されていますが、実際には試験に受かる勉強をするだけではこのレベルに達することは難しいです。
理由は、試験内容にはスピーキングが含まれていないため、話す練習をしなくてもこの試験には合格することができてしまうからです。
英語でいうと「TOEICで点数が取れても、実際は全然話せない」というのと同じような感じです。
話す訓練をせずに、3級に合格した私の経験からいうと3級に合格したあとの中国語レベルはこんな感じでした↓
- 中国旅行へ行った際に目にする看板などの文字が少しわかる。
- 中国人の言っていることの中で、知っている単語だけ聞き取れる。(“五点”=「5時」、“时候”=「~とき」など)
- 自己紹介や短い文が話せる。(“我是日本人”=私は日本人です、“现在六点半”=今は6時半です、など)
私は合格することだけを重視して勉強していましたが、話す練習も同時に行えば、もちろん3級でもこれよりもっと話せるようになります◎
試験内容
続いて、各パートの出題内容と問題数、配点です。
こちらも公式HPに載っている内容になりますが、詳細はこちらです。
- 聞き取り:約35分間(放送回数2回)*配点100点
パート | 形式 | 問題内容 | 問題数 |
第1部分 | 写真を選択する問題 | 短い会話が放送され、数枚の写真から内容が一致するものを選ぶ。 | 10題 |
第2部分 | 正誤判断の問題 | 短文が放送され、その内容と、問題用紙に与えられた短文の内容が一致するかを判断する。 | 10題 |
第3部分 | 会話の内容に関する問題 | 2人の短い会話とその内容に関する問いが放送される。問いの答えとして正しいものを3つの選択肢の中から選ぶ。 | 10題 |
第4部分 | 会話の内容に関する問題 | 2人のやや長い会話とその会話の内容に関する問いが放送される。問いの答えとして正しいものを3つの選択肢の中から選ぶ。 | 10題 |
- 読解:30分 *配点100点
パート | 形式 | 問題内容 | 問題数 |
第1部分 | 関係のある文を組み合わせる問題 | 与えられた短文に対し、関連(対応)する文を選択肢の中から選び、組み合わせる。 | 10題 |
第2部分 | 空所補充問題 | 文中の空所部分に、選択肢の中から適切な単語を1つ補い、意味の通る文を作る。 | 10題 |
第3部分 | 文の内容に関する問題 | 短文とその内容に関する問いが与えられており、問いの答えとして正しいものを3つの選択肢の中から選ぶ。 | 10題 |
- 作文:15分 *配点100点
パート | 形式 | 問題内容 | 問題数 |
第1部分 | 語句の並べ替え問題 | 与えられた複数の語句を並び替えて正しい中国語文を作る。 | 5題 |
第2部分 | 空所補充問題 | 文の意味を理解して、文中の空所に当てはまる漢字を書く。 | 5題 |
「作文」のみ筆記で、「聞き取り」と「読解」のパートはすべてマークシート形式となります◎
合格ラインは、全体の6割以上の正解となります◎
ちなみに、受験料は6,160円(税込)がかかります。
合格を掴むためのコツ
6割以上正解するために、何に力を入れればいいのか?
私なりに感じた合格を掴むコツは「とにかく読解で点数を稼ぎ、作文では5割以上の点数をとること」です。
上記で配点は「聞き取り100点・読解100点・作文100点」とお伝えしました。
試験に合格するためには、各パートで6割以上(60点)取る必要はなく合計点数で6割以上(180点以上)取れれば大丈夫です◎
つまり、300点中の180点が合格ラインとなります。
日本人の多くが当てはまると思いますが、私は聞き取りや作文よりも読解が圧倒的に得意でした。(今もですが笑)
中国語は、日本語の漢字と同じ意味を持った語彙が多くあるため、一度も勉強したことがない単語でも見ただけで意味がわかるものが非常に多いのです◎
「HSK3級レベル」のところで「必要な語彙量は600語程度」と記載していますが、日本人の場合は知らない語彙でも見ただけで意味がわかって解けるものもあるため、実際の必要語彙量はもっと少ないと思います。
そんな日本人としての特権を存分に利用して、読解で得点を稼ぐようにしましょう!!
私がHSK3級に合格した際の成績表はこちらです↓
読解で9割取って、できるだけ点数を稼いでいることが丸わかりですね(笑)
そしてもう一つ重要なのが、作文で5割以上は取れるようにすることです。
なぜかというと、作文問題のみ10問と問題数が少なく、1問に対する配点(1問10点)が非常に高いからです。
この作文で10問中2,3問しか正解できないとなると、その分を読解の点数だけではカバーしきれなくなってしまいます。
作文にも手を抜かないように勉強を進めることも、とても大切です◎
HSK3級合格に必要な教材
さて、ここからは「実際にどのように勉強を進めていくのか」ということについて解説していきます。
まず、必要な教材は「入門用の中国語学習書1冊」と「HSK公認テキスト3級」の2冊です。
入門用の中国語学習書1冊
私が中国語をゼロから学び始めたときは、兄が大学生の第二外国語をとっていたときに使用していた入門用教科書で勉強しはじめました。
その教科書を途中まで勉強して、まず手始めに以下の内容を習得しました。
文字と発音のほかに、必要最低限の超基本文法を5つ程度です。
- 拼音・子音・母音・発音(声調)
- 「~は~です」(我是日本人)
- 「これ・あれ・それ」(这,那)
- 「~に~があります」(我家在北京)
- 「~は+形容詞」(我朋友漂亮)
- 「~は+動詞」(我做饭)
私はたまたまあった入門用の教科書で勉強しましたが、ゼロから勉強する人用の本であればなんでも良いと思います◎
「参考書はできるだけ買いたくない」という人は、私が入門用教科書で学んだ内容はYoutubeやネット上で調べれば自力でも学べますので、必ずしも買う必要はないかなと思います◎
HSK公認テキスト3級
入門用の教科書で必要最低限の知識を得たら、すぐに「HSK公認テキスト3級」での勉強に移ります。
「HSK公認テキスト3級」のはじめには「子音や母音などの発音のしくみ」が紹介されていますが、復習する必要がない人は飛ばしてしまっていもいいと思います◎
テキストはUNIT1~24まであり、各UNITでHSK3級に出題される文法の解説や例文が載っています。
この教科書に載っている語彙や文法の内容をひたすら頭に入れていきます◎
ちなみに、各UNITの最後に短い演習問題がついているので、この本の他にわざわざ過去問や問題集を購入する必要はありません!
HSK3級合格のおすすめ勉強法!
最後に、私が実践していたHSK3級の合格するための勉強方法をご紹介します。
「2冊の本」と「3ヶ月間(約100時間)の時間」を使ってどのような勉強をしていたのか?詳細はこちらです↓
最初の1ヶ月 | 入門者用の教科書で拼音と発音・必要最低限の文法を学ぶ。
(この時は計画など立てずに、土日の時間がある時や平日の空いた時間になんとなく勉強を進める感じで) |
2ヶ月目前半 | 平日の寝る前or通勤時と土日に毎日約1時間で2UNITずつのペースで、「HSK公認テキスト3級」をUNIT1~24まで読み進めていく。
(覚えようとするのではなく、どんな文法が出てくるのかな~と出題範囲を確認する感じで) |
2ヶ月目後半 |
公認テキストの1周目を終えたら、2周目は単語や文法内容の詳細を読み込んでいく。 (付属の音声も聴きながら発音も確認する) |
3ヶ月目~試験まで |
3, 4, 5周目~と、UNIT1~24までを何周も何周も読みながら、語彙と文法を覚えていく。 (UNIT末にある演習問題も解いてみる) |
語彙を覚える際は、単語の欄の日本語訳を隠して中国語を見ただけで意味がわかっているか確認をしたりしていました。
すでに覚えいる単語はスキップしたりするなど、効率よく勉強が進められるようにしていましたが、実際はこのテキストに載っている全ての単語は覚えられていないまま試験に臨みました(笑)
文法については、何度も読み込んで語順や意味を確認するだけで、覚えているかのチェックなどはしませんでした。
聴解は、完璧に聞き取れるまで聞くまではせずに、UNIT1~24までをずっと繰り返し聴き続けるような感じで勉強しました。
家で勉強する際は、聴解の助けになるようにテキストの内容を声に出して読んだりもしました。
このような感じで3ヶ月ほど勉強をした結果、8割近くの点数でHSK3級に無事合格することができました。
勉強する中でもっとも大切なのは、「語彙」と「文法の意味・語順」を覚えることです。
日本人の特権として「中国語を見れば意味がわかる」「おぼろげに覚えた語彙でも前後の内容から意味を予測しやすい」というのがあるので、一つひとつ頑張って覚えようとするのではなく、なんどもテキストを読み込む中で覚える形の方がストレスなく勉強ができるのでおすすめです◎